「肌がいつも乾燥して、赤みやかゆみがある」「顔を洗うと肌がピリピリする」「ちょっとした刺激で湿疹・かぶれが起こりやすい」――このような、一般的に「敏感肌」と呼ばれる肌状態にお悩みの方は、少なくありません。

ですが、どうして敏感肌になってしまうのかは、あまりよく知られていないかもしれませんね。

そこでここでは、敏感肌とはどのような肌状態なのかをご説明し、敏感肌を引き起こす主な原因をご紹介します。

※敏感肌は正式な医療用語ではありません。また、アトピー性皮膚炎などの、皮膚科医による治療が必要な疾患肌とは異なります。

敏感肌になるメカニズム

皮膚は、表面から下に向かって「表皮」「真皮」「皮下組織」の3層に分かれています。そして、「角層（角質層）」と呼ばれる、角質細胞がミルフィーユ状に重なった層が表皮の一番上にあり、肌表面を覆っています。

この角層は厚さ0.02mmと非常に薄い層です。

ですがその中には、天然のうるおい成分であるアミノ酸などの「天然保湿因子（NML）」や、高保水力のあるセラミドを主とした「細胞間脂質」などが、角質細胞同士の間に、まるでレンガをつなぐセメントのように存在し、肌をうるおいに満ちた健康な状態に保っています。

そして、角層の一番上には「皮脂膜」が広がっており、皮膚の健康を守る「バリア機能」という重要な役割を担っているのです。

バリア機能とは、紫外線や花粉・ホコリ、PM2.5、細菌などの外部刺激が肌内部に侵入しないようにブロックし、さらに肌内部の水分が蒸発しないようにしている、いわばシャッターのような機能を指します。

ですが、何らかの原因によってバリア機能が低下すると、肌内部の水分が蒸発しやすくなり、角質細胞間にすき間ができてしまいます。同時に、外部刺激が肌内部に侵入しやすくなるため、さらに角層にダメージが加わることに！

このようにバリア機能の低下によって肌内部までダメージが加わると、肌細胞のターンオーバー（新陳代謝）まで乱れてしまい、肌はますます弱ります。その結果、少しの刺激でも反応してしまう「敏感肌」になるのです。

なお、敏感肌は顔だけでなく、全身の肌に起こる可能性があります。

敏感肌になる原因は？

では、どのような場合に敏感肌になりやすいのでしょうか。主な原因を見ていきましょう。

①肌の乾燥

・外気や室内の冷暖房で空気が乾燥している

・紫外線を無防備に浴びている

・水・湯に濡れた後にきちんと拭かない

・スキンケアで保湿を行わない

などにより肌の乾燥が加速すると、バリア機能が衰えてしまいます。無防備に肌が乾燥しないように、保湿ケアに気をつけましょう。

②スキンケア成分に刺激がある

毎日スキンケアをしているのに、肌が敏感に傾いているのなら、スキンケアアイテムに含まれる成分が肌に合っていないのかもしれません。

敏感肌には、「保湿重視」で「余分な成分は無添加」な、敏感肌用のスキンケアアイテムを選ぶようにしましょう。

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